【朝鮮日報】韓国に「伝統韓食」を伝える大学を=ユン・スクチャ(韓国伝統飲食研究所長)

1:2016/02/09(火) 07:54:31.60 ID:
(写真)


韓国には数千年にわたり受け継がれてきた伝統の食文化があり、またその調理法も伝えられている。
しかしその誇り高い文化もかつての日本統治時代や6・25戦争(朝鮮戦争)、さらに欧米からの食文化
に押され、多くが断絶してしまった。それでもその後、さまざまな方面で韓国の伝統文化の見直しが
進められてきたが、食文化に関しては逆に後退しているようにさえ感じる。その大きな理由の一つが、
韓食の専門家を養成し輩出する高等教育機関の不在にあるのではないか。韓国国内には韓国の
伝統食である韓食について教える大学はもちろん、短大や専門学校さえ見当たらない。例えば培花
女子大学(ソウル市)、水原科学大学(京畿道華城市)、又松大学(大田市)、全州大学(全羅北道
全州市)など幾つかの四年制大学には調理学科があるが、施設やカリキュラム、あるいは教授など
全ての面が絶対的に不足している。最近、全州大学が国際韓食調理学校を設立したが、これも
さまざまな面で不十分だ。

フランスや米国、イタリア、さらに日本や中国、タイなどにも自国の食文化を教える調理学校が
数多く存在する。韓国にも韓食の基礎から専門的な教育まで、あるいは理論と実技、食文化を
体系立てて教える韓食調理学校が必要だ。これさえあれば韓食についてしっかりと習得した専門家
を輩出でき、活動の領域を海外に広げ、世界各国で品格のある韓食を提供できるようになるはずだ。
最近何人かのスター・シェフやさまざまな目新しい料理が注目を集めているが、それらをよく見ると、
どれも欧米の食材に少しだけ韓食の要素を加えたものにすぎない。彼らが作り上げる料理からは
韓食の根、あるいは精神はどうしても感じられない。彼らがまず韓食についてしっかりと学び、
その上で海外に出て欧米の食文化を習得していれば、間違いなく今とは違ったより洗練された韓食
を作り上げることができたのではないだろうか。

文化体育観光部(省に相当)は今年、韓国を訪れる外国人観光客の数を1650万人ほどと見込んで
いる。海外からやって来た観光客は、ショッピングの次に韓国料理に大きな関心を抱いているよう
だが、彼らが本当の韓食を味わうことができているとは考えられない。しっかりと整備され運営されて
いる飲食店やシェフがまだまだ足りないのがその理由だ。この問題を解決する鍵は教育にある。
今からでも遅くはない。韓食の調理法はもちろん、その伝統までしっかりと伝える調理学校や専門
学校、短大ができれば、韓食をこれまで以上に品格のある食文化へと発展させることができるの
ではないだろうか。

つい先日、ある新聞の記事が目についた。最近の小学生は2人に1人が将来就きたい仕事として
シェフを挙げているという。韓国の食文化を発展させる基盤はこのようにしっかりしている。彼らが
韓食の伝統を継承し、優秀なシェフへと育った時に、海外からも多くのシェフたちが韓食について
学ぼうとやって来るだろうし、また観光客も今以上に増えるだろう。Kフードはこのようにして世界に
広がっていくのだ。

ユン・スクチャ(韓国伝統飲食研究所長)

ソース:朝鮮日報
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