欧米流の「褒めて育てる」でダメになった日本の若者

1:2016/02/04(木) 09:46:51.47 ID:
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頑張れず、傷つきやすい現代の若者たちは、日本の文化風土を無視したエセ欧米流の「褒めて育てる思想」の産物であるという。
自著『ほめると子どもはダメになる』でこうした現実を指摘した臨床心理学者で、MP人間科学研究所代表の榎本博明氏に、詳細を聞いた。

──どうして若者の「生きる力」が衰えてしまったのですか。
褒められるのが当たり前になって育った。きついことは言われない。
それは欧米流の「褒めて育てる」を歪んだ形で導入したからだ。暗黙の関係性や一体感で動く日本とは彼我の差が大きい。
親子関係や夫婦関係に端的に表れている。

──暗黙?

たとえば身近な例で、食べ物の好き嫌いが激しい子どもに食べるようにどう促すか。まず「食べなさい」と命じるのは共に同じ。
それで食べないと、米国の親だったら、だんだん語調を強めて「食べなさい!」と強硬に出る。ところが日本人の親は、
お願い調に転じる。「食べてちょうだい」「お願いだから食べて」という具合。さらには「今日食べなくても、明日は食べるよね」と
譲歩していく。それでも食べないと「もういい」と最後通牒だ。
米国の学者に言わせると、上の立場の親がお願いをするのが、日本ではなぜ説得の言葉表現になるのか、と不思議がられる。
「もういい」は心理的な一体感や関係性が壊れるよ、という暗黙の脅しなのだ。

──米国ではつねに言葉でストレートに表現すると……。
すべて言葉とスキンシップでのコミュニケーション。欧米では子は親とは別の個人として厳しく育てられながら、
褒めていいところは褒める。夫婦はのべつ「あなたすてきよ、愛している」などと言い合う。日本では考えられないが、
欧米人はそれを言わないと愛情を感じられない。日本人には心理的な一体感が形成されているので言葉なしでも通じる。
その文化の根底の違いが加わって「褒めて育てる」はさまざまな歪みを引き起こす。

──「褒めて育てる」が推奨されて、20年を超えます。
1990年代から推奨されて、それと並行して、学校教育でも新学力観が適用された。それまでの競争による知識偏重をやめて
授業中の態度や関心で成績を決める方向だ。テスト結果のトップクラスの子が5段階評価の5ではなくて4になり、
テストはトップクラスでなくとも、たとえば先生に頻繁に質問する子は5になる。これが文部科学省の基準に照らせば正しい。
結果がすべてとすると、知識偏重の競争社会が深まってしまう。それを防止するために勉強のプロセスを評価するというわけだ。

国際比較で日本人の学力が低迷しているのは確かなのだが、褒めて育て、成績では厳しく競わせない。
そういう風潮で育った今の親世代がまた子育てをするサイクルに至った。もはや褒めて育てるという思想は打ち砕きにくい厚い壁になった。

──厚い壁?
態度や関心でのプロセスを評価するとなると、ついつい自分に対していい態度を取る人に対して評価を高くしてしまう
日本人はとかく関係性で動くから、大人の社会の人事評価自体もうまくいっていないが、それが学校にまで持ち込まれた。
グローバル化が進む中で、せめて学校では実力主義でやるべきだと思うのだが。
褒められるのが当たり前になる子どもたち

──そこまで浸透したのですね。
調査の結果、年代で全然違う。若い人だと70%ぐらいが父親や母親によく褒められている。中年以上には、
逆に父親は厳しかったという人が多い。文化がはっきり変わってきたのだ。無言のうちに一体感があって、
はっきり言われなくても親の愛情は感じる文化から、厳しさ抜きの“エセ欧米流”が取り入れられて褒めまくる。
子育て書にも子どもを褒めまくれば伸びる、そんなようなことがいっぱい書かれている。
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